伊織「『百年たってもやよいおり』? ……何よこれ」
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名無しNIPPER
[saga]
2018/03/25(日) 22:34:11.23 ID:JKum/CnfO
「……あ、おはようございます、伊織せんぱい! そろそろ来る時間かもって思ってました!」
「また掃除してるのね。そんなの使用人に任せればいいのに」
「しようにん? えっと、よくわからないですけど、あるばいとなので!」
「私には絶対に無理だわ」
「伊織せんぱいはおそうじしないんですか?」
「ええ。だってやる必要がないもの。そういう身の回りの世話は全部使用人がやってくれるし」
「ふえぇ〜……。じゃあ伊織せんぱいはえらい人なんですね!」
「別に私は偉くなんかないわよ。偉いのはお父様。全てお父様が決める権利を持ってるから、だから……」
「? どうかしましたか?」
「ううん、なんでもない。あんたに話しても仕方がないわよね」
せっせと掃除をするやよいの横でそれを眺めながら、一言二言言葉をかわす。
それはいつの間にか伊織の日課になっていた。
二人の歳が近いということもあったし、基本的にやよいは人見知りをしない子だったので、伊織も特に気を遣うことなく会話ができた。
アイドル活動が始まるまでの30分にも満たない時間だったが、その数分は伊織にとって少しだけ楽しみなひとときになっていた。
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