京太郎「新生活は抱き枕とともに」
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914: ◆DAKIMApJGg[saga sage]
2022/06/16(木) 22:23:58.02 ID:vFTohzvVo


京太郎が食べ終えると風呂をすすめる智葉
死ぬ前にせめて体を清めるようにとの情けなのだろう


京太郎の好きな少し熱めのお湯にしっかりと調整された浴槽
この世の名残を惜しむように丁寧丁寧丁寧に体を洗っていく


湯船にかろうじて足を伸ばして浸かっても心が休まることはない
どうしてもよくない方に思考が陥ってしまうのは状況を考えればしかたないだろう


もちろんそれはすべて京太郎の取り越し苦労である
少なくとも『今は』であるが


「ずいぶん長風呂だったみたいだがのぼせたりしてないか?」


「ええ, 大丈夫でした」


いつの間にかキレイに洗濯されていたパジャマに着替えて出てきた京太郎
メガネを外し髪を下ろした姿は別人のように見えてしまう


「じゃあこれが明日の朝ごはんだからちゃんと残さず食べろよ?」


「え?」


「それとめんどうなのはわかるが洗濯はこまめにしておいたほうがいい」


「はあ……」


「着古して縒れてきていた服は淘げておいたからこちらで処分しておく」


「ありがとうございます?」


「ということで私は帰るが夜ふかししすぎずにちゃんと夜は寝るんだぞ?」


「わかりました」


いつのまにかベッドの布団が新しくなっていた
なんとなく高級なものであることはわかるしそれにふさわしい寝心地だった


京太郎の下宿先で夕食をつくり風呂に入っている間に後片付けと翌朝の食事を用意して帰っていく
そんな生活も1週間も続けば慣れてしまう


つまり京太郎に『油断』が生まれ始めていたのだった







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