91:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 02:01:06.62 ID:EAF0Yir90
「ところでここにもう一人入院されている倉橋雅美さんにもお話を伺いたいのですが…」
「彼女をですか?正直彼女の面会は許可しにくいのですが…」
「ある事件でどうしても彼女の協力を得たくて、どうかお願いします。」
「わかりました…担当の医師に言ってみます。私ちょっと席を外しますから。」
そう言って席を外す看護師。
その傍らで呆れた顔で右京に文句を呟くカイトだが…
「嘘言っちゃって…精神障害の人間の証言なんかに刑事能力は無いですよ。」
「おやおや、僕は別に嘘など言ってませんよ。
彼女は僕たちが追っている
呪いのビデオの事件に協力をしてくれたらそれは事実になりますからねえ。」
「ハイハイ、屁理屈捏ねたら杉下さんの右に出るヤツなんていやしませんよ…」
とりあえずこれで倉橋雅美と面会出来る手筈は整った。
それから1時間も待たされたが
ようやく二人は担当医師の立会いで倉橋雅美と面会することが出来た。
しかし右京とカイトは彼女が病室からこの面会室まで歩いてくる姿に思わずギョッとした。
何故なら彼女の視界に決して『ある物』を見せないために
看護師が布で隠しながらここまで歩かせてきたからだ。
そしてようやく会えた倉橋雅美と聞き込みをしようとするのだが
この15年間で彼女は驚くほどに窶れてしまった。
彼女の年齢はまだ30代前半だというのにその髪は最早白髪だらけ、
目も恐らく満足に寝てないのだろうか大きな隈が出来ていた。
倉橋雅美の状態を見たカイトはとてもじゃないが
彼女から満足な話は聞けないと判断するがそれでも右京は敢えて彼女に話を切り出した。
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