66:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:28:02.96 ID:EAF0Yir90
8月29日、PM18:50
右京とカイトは早津の家を訪ねてみると
彼は自分の部屋に引き籠っていて
まるで得体の知れない何かに怯えるかのように孤独に震えていた。
やはり自分の死期を感じ取り何かしら察してしまったようだ。
「早津さん!甲斐とそれに杉下です!このドアを開けてください!お話があるんです!」
「それってまさか助かる方法が見つかったんですか!?」
そんな早津の自宅を訪ねて安否を確認するカイトに右京。
どうやらまだ無事でいてくれたようだ。
しかしそれもあとわずか10分で彼の寿命は失われてしまう。
それをわかっていてもどうすることも出来ず…
この場にいる誰もが歯痒い思いに駆られていた。
「残念ですが…あなたを救う方法は見つかりませんでした。」
「そ…そんな…」
「本当にすみません…せめてあなたの最期まで俺たち付き合うことにしました…」
「そんな…俺…死ぬのなんて嫌ですよ…」
「まだやりたいことたくさんあるし…」
「それに…嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!!死にたくなんかないよ!!?」
右京たちが居るのにも関わらず発狂して取り乱す早津。
無理もない。自分があと数分で死ぬとわかったのだ。落ち着けるはずがない。
それから右京とカイトは早津に呪いのビデオの経緯を説明した。
山村貞子のことやその母親の山村志津子、伊熊平八郎、等のことを…
しかし『呪いのビデオ』の呪いを解く方法だけは教えなかった。
これ以上下手な希望は持たせたくはないという配慮だったのかもしれない。
「なるほど、そういう事でしたか…山村志津子、伊熊平八郎、
確か浅川さんが当時吉野さんや岡崎さんにそんな名前の人たちを
調べるように頼んでいたのを思い出しましたよ。
あ、もう時間だ。不思議なモノですね…
人間死期を悟るとこんな穏やかな気持ちになれるなんて…」
覚悟を決めたのか先程とは打って変わって落ち着いた様子を見せる早津。
最早、彼は諦めがついていた。
しかしそんな最期を迎える早津に右京はあることを尋ねた。
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