65:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:26:33.21 ID:EAF0Yir90
「それじゃあ早津さんが助かるには…」
「呪いのビデオを複製して他人に見せるしかありません。」
それが今も死に怯えている早津を助ける唯一の方法だ。
だがその方法を行うことは今となっては不可能だ。
「それなら…すぐにこのことを早津さんに教えなきゃ…あっ…」
「ようやく気づきましたか。
その呪いのビデオはもう小宮さんが吉野さんの部屋で
処分してしまったからテープをダビングすることは最早不可能です。
仮に出来たとして誰に見せる気ですか?
見せられた相手には更に他の誰かに見せてそれの繰り返し…
ですがそれもいずれは終わりが来て先ほど話した結果になるでしょうね。」
「つまり早津さんは助からないってことなんですか?」
「残念ながらそうなりますね…」
ビデオが失われては早津を助けることは不可能という結論に達した。
浅川がビデオの答えを教えなかったのはこれが理由なのだろう。
呪いの真実が知られたら間違いなくこの世は恐怖と混乱に見舞われる。
15年前にその可能性を危惧したからこそ
呪いの噂だけを広めて真実を秘密にしていたのかもしれない。
だがそれでもこれは特命係に依頼された事件。
いくら残酷な結末だろうとそれを受け入れる必要があった。
「それならせめてここまでの経緯を早津さんに話しましょう。
一応俺たちは
早津さんにこの件を頼まれた訳だしせめて最期まで付き合ってあげないと…」
「そうですね。彼にはすべてを知る権利があります。」
こうして右京とカイトは早津にすべてを伝えるべく彼の会社へ向かった。
しかし早津は会社には来ておらず、
問い合わせたところ、彼がずっと自宅に引きこもっていることを突き止めた。
それから早津の自宅に向かうのだが…
しかしその頃には残り時間十分を切っていた。
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