58:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:16:36.79 ID:EAF0Yir90
8月29日 AM10:00
翌日、右京とカイトは朝早くに『南箱根療養所』を訪れていた。
その目的は
山村貞子の父である伊熊平八郎から呪いのビデオを解く方法を教えてもらうためだ。
「こちらが伊熊平八郎さんの病室です。」
二人は看護師に案内されて伊熊平八郎の病室を訪ねたが
彼は結核を患いその命は残りわずかといった様子であった。
ちなみに今日で早津の命は残り一日となる。
「ゲホッ…ゴホッ…」
結核患者特有の肺を患ったような酷い咳をする老齢の男。
この男こそ志津子の能力を見定め、さらに貞子の父親である伊熊平八郎。
ある意味、彼が山村貞子と志津子の母娘を苦しませる結果を生んだ張本人でもあるが…
しかしこうしてベッドに横たわる姿は哀れでしかなかった。
「伊熊さんは結核が悪化して
もう余命幾許もない状態ですのでくれぐれも無理はさせないであげてください。」
「わかっていますって。」
「出来れば我々と伊熊さんだけでお話ししたいので席を外してもらえますか?」
「わかりました。何かあれば知らせてください。」
こうして看護師は病室から出て行き、
室内には右京とカイト、それに伊熊平八郎の三人だけで話を始めた。
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