228:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 14:54:03.89 ID:EAF0Yir90
「あれ?おかしいっすね。今の話しが確かなら…
女将さんって山村貞子と同級生のはずですよね。何で無事なんですか?」
カイトは女将と最初に交わした会話を思い出した。
確かこの女将は自分が山村貞子と同級生だと自分たちに教えていた。
だがこの話しには疑問がある。
もしも女将が貞子と同級生なら50年以上前の水難事故で死亡しているはず。
それなのにこうして無事でいるということは…
「先ほど小学校で確認を取りました。あの水難事故で生存者は山村貞子一人だけ。
当時彼女と同級生だった人間は全員死んでいます。
つまり山村貞子に同級生なんていないんですよ。」
その言葉に女将は動揺を隠せずにいた。
つまり女将は右京たちに対して嘘をついていたことになる。
だがここで疑問が生じる。何故そんな嘘をつく必要があったのかだ。
「けど…女将さんは何故そんな嘘を…?」
「その疑問を解くにはまず女将さんの名前を知るべきです。
女将さん、それにご主人。あなた方の名前を教えてはいただけませんか。」
そういえばと気づいたがまだこの二人の名前を聞いていなかった。
しかし名前を教えて欲しいと聞かれて女将は狼狽えだした。
何故ここまで狼狽えるのか?
それから主人がなにやら妻の女将に声をかけている。
ボソボソと話しているが恐らく「心配するな。大丈夫だ」とでも言っているのだろう。
そんな主人に促されて女将はようやく自分の名前を名乗った。
272Res/385.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20