193:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 11:13:37.52 ID:EAF0Yir90
「そう、呪いはビデオの複製を行っただけでは完全に解けないんだ。」
「でも…どうして…
現に浅川玲子は1週間経っても死ななかったはずだ!
それなのにどうして彼女はこの地獄に堕ちたんだ!?」
確かに浅川はビデオの呪いは解いた。
しかし貞子が仕掛けた本当の呪いからは逃れることが出来なかった。
「何故なら彼女は新たな呪いを生み出してしまったからだ。」
「新たな呪いってなんだよ…?」
「お前は岡崎という男を知っているな。
その男は沢口香苗を見殺しにしたことで新たな呪いに掛かった。
それと同じことが浅川にも起きたんだ。」
それを聞いてカイトは何故浅川がこの地獄に堕ちたのかようやく理解出来た。
つまりどんなに呪いを回避しようとしてもビデオの呪いには必ず犠牲者が付き纏う。
ここである疑問が生じる。
もしも自分の呪いが回避出来たのならそのせいで犠牲になった人間はどうなるのか?
その答えは浅川の周囲を蠢く者たちにあった。
「レイコ…ヨウイチハドウシテ…」
「ナンデ…アナタハ…」
浅川の周りを彷徨く老年の男女。恐らく浅川の父母とみて間違いないはず。
その二人がまるで浅川に恨みがましくまとわりついていた。
そしてこの光景を見てカイトはようやく察することが出来た。
ビデオを廻して犠牲になった者は怨念を抱くのではないか。
そしてその怨念は呪いを移した者に復讐を行う。つまり逃れられない連鎖。
そしてカイトは杉下右京が呪いのビデオの解き方について抱いていた疑問を思い出した。
この呪いの解き方は正しいものではないのだと…
まさにその通りだ。勿論一時的な死は免れるのかもしれない。
だが結局はそれ以上の呪いが募って襲ってくる。つまりビデオはきっかけにしか過ぎない。
この呪いの本質の恐ろしさはそこにあったということがようやく理解出来た。
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