186:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 11:03:18.60 ID:EAF0Yir90
【転移性ヒトガンウィルス】
これは呪いのビデオで死んだ人間を防衛省が解剖して判明したことだ。
呪いのビデオにはかつての天然痘ウイルスに似たモノが確認された。
それを彼らは転移性ヒトガンウィルスと名付けた。
ビデオを見た人間はこうウィルスに犯され1週間後に死ぬ。
それが防衛省の下した結論だった。
そしてウィルスの研究を携わっていた小菅が呼ばれた理由は
このウィルスを完全に制御することにあった。
そのことを了承して小菅は研究に携わった。
だがそれはこれまで自分が知っている自然界に居るウィルスとはどれも異なるモノ…
その研究は容易なモノではなかった。
それだけではなく元々歪んでいた心に更なる歪みが生じ始めていた。
山村貞子という女は15年前に自分よりも遥かに優れた殺人ウィルスを作ることが出来た。
だが…自分はどうだ…?
その貞子の猿真似をしているにしか過ぎない。
これでは永遠に貞子を越えられないと…
それから程なくしてビデオを媒体にしたウィルスが完成。
後始末兼口封じに吉野賢三という男の殺害に成功。
この施設の連中はこれで当初の目標をクリア出来たと大いに喜んでいた。
だが自分はそうは思えなかった。これでは単なる猿真似だ。
こんなモノを我が子とは言えない。だからこれを超えるウィルスを作ろうと進言した。
『既に設定値はクリアしている。あとは他の媒体で試せるのか確認出来ればいい。』
そんなことを言われた。
それは小菅のプライドを傷つけるのに等しい言動だった。
そもそもこの小菅彬は常人とはかけ離れた思考の持ち主だ。
彼がこれ以上のウィルスを作れないとなればどうなるのか?
歪んだ思いがある暴挙へと変貌しつつあった。
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