17:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 00:36:17.01 ID:EAF0Yir90
「失礼ですが亡くなられた吉野さんと小宮さん、それに早津さん。
あなた方三人はこの数日の間に何か奇妙なことに巻き込まれたのではありませんか?」
怯え続ける早瀬に右京はそんな質問をしてみせた。
今の早瀬の様子からして死んだ吉野と小宮と一緒に何かをしたことだけは確かだ。
しかも昨日の事態を察するに命の危険が関わっていると考えるべきこと。
だからこそ早津はこうして尋常ではない怯え方をしているのではないか。
そしてそのことを察した右京に早津は飛びつくかのように助けを求めた。
「吉野…小宮…あぁ…刑事さん助けてください…俺まだ死にたくないんですよ!」
「ちょ…ちょっと急にどうしたんですか!?」
「あれを見ちまった俺にはもう時間が無い…ダメだ…もうすぐ…俺は死ぬ…」
「落ち着いてください小宮さん!
そうならないためにも我々警察が絶対にあなたのことをお守りしますから!」
「ダメだ…やっぱり俺たちは呪われちまったんだ!?」
「呪われた?一体何にですか?」
呪われた。そう何度も訴える早津。
いきなりのことで何の話だかわからない伊丹たち。
この現代に呪い?馬鹿らしい。それに呪われたとして一体何に呪われたというのか?
思わず呆れ返ってしまった。
だが右京はそんな早津にこんな質問をしてみせた。
「それはひょっとしてビデオテープが関係しているのではありませんか。」
「何故それを?まさかあなた方もビデオを見たんですか?」
「いえ、僕たちはあのビデオを見ていません。
ですがあなたのその怯えた表情…そして小宮さんが死の直前に見せた不可解な行動…
それらを推理すればあのビデオに何かあると察することは出来ますよ。」
「…これから話すこと、刑事さんたちは信じてくれますか?」
「あなたが話すことが真実ならば我々はそれを信じるだけですよ。」
早津は小さく頷き怯えながらも語り始めた。
すべての始まりは今から15年前のことだった。
当時、このTV局に勤務していたディレクターの『浅川玲子』がある取材を行っていた。
それは当時の若者たちの間に広まっていた都市伝説に関する取材だった。
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