144:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 08:48:00.38 ID:EAF0Yir90
「確かにこの世にはもういないかもしれません。」
「ですが…」
「以前は居たとしたらどうでしょうか。」
なにやら意味深な表情で語り出す右京。
そこで雛子もまた笑うのをやめて構える姿勢を取った。
ここで右京が何かを仕掛けてくると察したからだ。
「もしもですが57年前に行われた公開実験で山村貞子の力を知った人間がいたら?」
「その人間は同じく57年前に起きた三原山大噴火で貞子の力が本物だと確信した。」
「山村貞子の力に有用性を見出すことが出来たらどうでしょうか。」
「きっと利用したいという欲に駆られるはずです。
かつて貞子の母親である山村志津子を利用した叔父の山村敬や伊熊平八郎のように…」
そう、彼らは貞子の母である志津子を公開実験の見世物として利用した。
だがその人物がやろうとしたことはそんな見世物などではないはず。
それらよりもはるかに予想を超える行いを考えていたにちがいないと仮定していた。
「それではその人物とは誰なのか?」
「かつて山村貞子の力を把握していた人間は殆どが亡くなった。」
「ですがそれでも近年まで生きていた人間がいました。
その人は政治家です。恐らく山村貞子が関わった人間の中では最も権力のある人物。」
「その人物はかつて山村貞子と接触していた可能性があります。」
「異能の力を持つ山村貞子。その存在を知り得た政治家。」
「その人物とは片山先生もご存知のあの人です。」
かつて山村貞子の存在を知っていた政治家。
そして片山雛子とも繋がりのある人物とは…
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