111:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 07:14:26.83 ID:EAF0Yir90
第4話
8月31日 AM8:00
「ハァ…あと2日か…長いようで短かったな俺の人生…」
「あのさ亨、アンタ今日非番だっけ?」
「上司にいきなり3日間の謹慎を言い渡された。
まったく冗談じゃないっての、こっちは文字通り命懸けだってのによ…」
翌日、カイトはマンションで同棲している恋人の悦子にそんな愚痴を零していた。
結局内村部長の言われるがままに大人しく謹慎処分を受けた特命係。
カイトは残り2日のタイムリミットをこのまま大人しく部屋で過ごさなければいけない
自らの境遇に対して焦りと不安、そして諦めの感情が入り混じっていた。
「まったく…アンタ刑事になってからまだ1年しか経ってないじゃない!
そんな事じゃ出世出来ないわよ。
あーあ、こんな甲斐性なしの男は見限ってもっと将来性のある男とくっ付こうかな。」
そんなカイトを叱咤するかのように文句を言う悦子。
しかしそれでもカイトの反応は薄い。それどころか…
「いいんじゃねえの…俺たぶんあと2日で死ぬかもしれないし…」
「ちょっと!冗談だってば!本気にしないでよまったく!」
「なぁ…俺が死んで葬式やるとしても
絶対ウチのクソ親父だけは呼ばないでくれよ。
来たら俺絶対あの親父を呪うかもしれないから…」
何を馬鹿げたことをと嘲笑う悦子。
だがカイトの言葉には現実味があった。今の自分なら人を呪うことが出来る。
それはなにか確信的な思いがあった。
272Res/385.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20