30:1[saga]
2018/03/20(火) 22:01:28.37 ID:NiGcwUvh0
27.梓side
唯「憂〜〜!」
唯先輩は憂に抱きつく。憂は唯先輩の頭を撫でながら、私に優しい笑顔を向けた。
憂「お疲れ様! カッコよかったよ」
梓「ありがとう。まあでも……」
憂も気づいてるよね、私たちはまだまだ発展途上だって。
でもそれでいい。私たちはまだ、旅の途中だ。
憂「どうしたの?」
梓「えへへ、いやなんでもないよ」
憂「変な梓ちゃん〜」
そういえば、と私はカバンを開けた。
梓「あのさ、景品の温泉旅行なんだけど、憂も来てくれるよね」
最優秀賞だった。評価なんてどうでもいいけどね。
憂「え、いいの? やったー! ありがとう!」
梓「私も憂と遊びたいからね、あと誰誘おうか?」
この旅行は6人用で、友達がいない私や唯先輩からしたら多すぎる人数だ。
「はいはーい! 私も行きたい!」
今まで憂の後ろに隠れていた女の子が食い気味で近づいてきた。
憂「紹介するね。お友達の純ちゃんだよ」
純「中野梓さんだよね、よろしく。演奏すごかったね〜。私は梓って呼ぶから、純って呼んでくれていいよ」
梓「あ、よろしくね!」
私は握手し、無理にでも明るく見せた。これからは初対面の人にいい印象を与えられる人になりたい。
唯先輩もちょっともじもじしながらその子と握手する。
憂「じゃあ後2人? 誰かいるかなぁ……」
憂は考え込み、しばらくすると思いついたように携帯電話を取り出した。
憂「あのもしもし、平沢憂です。まだこの辺りにいますか? はい、正面入り口です。待ってます」
梓「誰にかけたの?」
憂「えへへ、来てからのお楽しみ」
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