唯「四月は君の華」
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26:1[saga]
2018/03/20(火) 21:49:48.94 ID:NiGcwUvh0
23.梓side 控え室

梓「ゆ、唯先輩、どうしたんですか?」

唯先輩は私の影に隠れるように座り込んだ。私はどうすればいいのか分からずじっとしていた。

しばらくして、

「あれ、平沢さん?」

高そうな服を着た女の子が歩み寄ってきた。私の後ろで座っている唯先輩を覗き込む。

「やっぱり平沢さんじゃん。なんでこんなところに……まさかこれに出るの? あはは、ウケる」

梓「なんですかあなた。馬鹿にしに来たんですか?」

「馬鹿にだなんてそんな。私はただ、親が主催のこの辺鄙な演奏会に連れてこられただけよ。まさか超大物の演奏が聴けるなんてね。元、だけど」

梓「嫌味言いに来たんなら黙って親のところに戻ってください。邪魔ですから」

「は? なによあんた」

その人が私に向けてきた手は、私が仰け反る前にはたき落された。

憂「梓ちゃん、こんな人の相手しちゃだめだよ」

「ちっ、平沢憂か」

その人はすぐに翻すと、

「頑張ってね〜中野さんも」

なんだ、私の名前も知ってたんじゃん。

梓「大丈夫ですか? 唯先輩」

唯先輩は困ったように笑うと、大丈夫だよ、と私たちに背を向けた。



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