25:1[saga]
2018/03/20(火) 21:48:08.15 ID:NiGcwUvh0
22.憂side 当日
「純ちゃん、こっちこっち〜!」
「あ、憂〜。早いね」
純ちゃんは入り口でウロウロしてから、私のところまでやってきた。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
純ちゃんとは古い付き合いで、幼稚園のころからだった。私が音大の附属小に通うことにしたのでそれから会わなくなったが、先日スーパーで再会し意気投合、メアドまで交換してこの演奏会にも招待したのだった。
「もちろんだよ。本当は純ちゃんと同じ中学に行きたかったんだけどね」
「いいよそこまでしなくて。そういえばさ、憂はピアノ弾かないの?」
「私は弾かないよ」
「なんで?」
私はお姉ちゃんの『二番煎じ』で『劣化版』だから。
なんて純ちゃんには言えなくて。私は適当にごまかした。
「私飲み物買ってくるね、ついでにお姉ちゃんの様子見てくるよ」
「うん、いってらっしゃーい」
純ちゃんは深入りせずに、手をヒラヒラとさせて私を見送った。
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