23:1[saga]
2018/03/20(火) 21:44:42.39 ID:NiGcwUvh0
20.次の日 昼休み
「市内の演奏会?」
私と唯先輩は、憂が持ってきた資料を覗き込んだ。
「うん。毎年この時期にやってるんだって。市外からも何人か来るみたいで、ちょっと大きいみたいだよ。隣のおばあちゃんが実行委員もやってるみたいで、市内の候補者リストに推薦で入れてくれるって言ってたよ」
日時は2週間後。初めての舞台としては、心もとない準備期間だ。
「それまでに演奏を完成させて、お姉ちゃんの発作の対策をするのが必要だね」
「ありがとう憂。何から何まで」
「いいよ、気にしないで? 私も楽しみなんだ」
憂は本当に楽しそうだった。唯先輩のことが大好きなんだろうな。
「私はやりたい」
「ゆ、唯先輩……」
「私、変わりたいよ。逃げてばっかりの自分なんて、もう嫌なんだ」
唯先輩は立ち上がった。私に手を伸ばす。
「梓ちゃん、練習しよ!」
呆気にとられる私と憂。
私は強く、唯先輩の手を掴んだ。
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