74:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 20:29:15.81 ID:fJcnikaq0
結果を先に言うならば、今年も早耶はその名前を呼ばれることはなかった
名前を呼ばれるのは、この業界でも化け物じみた活躍をするアイドルばかり
長く下積みをしたアイドルもいるし、つい最近出てきたのに上位に入るアイドルもいる
75:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 20:46:16.33 ID:fJcnikaq0
会場から出た私たちは、二人だけで簡単な打ち上げをすることにした
こじんまりとしたイタリアンの店。混んではいないが味は中々のもので、私も気に入っている
「今日はお疲れ様、乾杯」
76:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 20:53:18.01 ID:fJcnikaq0
「そうだね、私も同じ気持ちだよ」
早耶も私も精いっぱいやったつもりだ
しかし、それは他者がきめることであり、ただの自己満足と言われてしまうと、私は言い返すことができないかもしれない
77:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 21:07:00.14 ID:fJcnikaq0
「早耶を好きでいてくれる人を幸せにできるのがアイドルだって思ってたんです」
私は黙って頷く
「でも……でもぉ……早耶が幸せじゃないと、誰かを幸せにはできないんですかねぇ……」
78:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 21:13:51.11 ID:fJcnikaq0
投票日の翌日、いつも通り出社すると早耶に元気な挨拶をされた
「おはようございまぁす」
「ああ、おはよう」
79:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 21:24:16.65 ID:fJcnikaq0
今日は早耶がレギュラーのバラエティ番組の収録がある
「早耶、気持ちを切り替えていこう」
とりあえず発破をかけてみるが
80:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 21:38:22.94 ID:fJcnikaq0
そこそこ有名な芸人さんが司会を務めるこの番組
早耶を上手に弄ってくれるので、いつもなら安心して見ていられるはずだった
今回も良いところでフリが来たのだが、早耶の反応はそれはもう酷くて、まるで素人のようだった
81:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 21:49:08.90 ID:fJcnikaq0
早耶がいる楽屋に向かいながら、考える
私は早耶にどう接したら良いのか?
怒る、それとも諭すか……
82:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 22:02:15.62 ID:fJcnikaq0
「早耶、お疲れ様」
私の声に、一瞬びくりと体を震わせるが、平静な態度のままで
「お疲れ様です。早耶、疲れちゃったので早く帰りましょお?」
83:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 22:10:42.64 ID:fJcnikaq0
臆病な私は早耶の言葉をそのまま受け止めた
「わかった、じゃあ少し休養をとろう」
私がそう言うのは予想外というように、早耶はぽかんと口を開けていた
84:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 22:21:41.45 ID:fJcnikaq0
「そう……ですか、貴方にも早耶は必要ないんですねぇ」
私にも、とはどういうことだ
「早耶、それだけじゃわからない。説明してくれないか?」
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