169: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:21:54.79 ID:J4ZPO0Pgo
▢▢▢ 八日目 ▢▢▢▢
女「…」
170: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:23:56.07 ID:J4ZPO0Pgo
女(それから、先生が警察の人たちに何かを話して…お昼過ぎくらいには解放された。一晩中拘束されていたから、疲れも眠気もあったけど…あれから一睡もしていない)
女(どうしても…あの時の光景が目から離れない。初めて、人が目の前で死ぬのを見た)
女(今まで自分に敵意を持っていた人間が、数秒後には大量の血を流して…動かなくなっていた。苦痛の表情、血が喉で溢れて聞こえてきた嗚咽のような音、そして…あの家の腐乱臭)
171: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:25:01.94 ID:J4ZPO0Pgo
霊能少女「…」
霊能少女「…まあ、ワタシは『死』という体験に慣れている。多少は動揺したけど、それでどうということはない」
172: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:26:41.70 ID:J4ZPO0Pgo
女「恐怖に耐える訓練…ですか?」
霊能少女「人間が恐れるものは理解出来ないものだと言われている。闇を恐れるのは何があるか見えないから、霊を恐れるのは存在を認識出来ないから、死を恐れるのは死の先を知らないから」
173: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:28:02.14 ID:J4ZPO0Pgo
女「あー…何か久しぶりに笑った気がします。この一週間は…ずっと怖いことばっかりでしたから」
女「…」
女「…これで本当に終わったんでしょうか。全部…」
174: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:29:32.77 ID:J4ZPO0Pgo
女「結局、あのお婆さんは何がしたかったんでしょうか。それに、私が見た妊婦の姿をした髪の長い女の人や、かみかまって…」
霊能少女「…呪いをかけた動機は分からない。本人が死んでしまった今、それを知る術はワタシ達にはない」
175: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:30:42.53 ID:J4ZPO0Pgo
女「!?」バッ
女「ちょ、ちょっと!!!な、なんてもんを盗んできたんですか!!!!捨ててきてくださいよ!!!!」
176: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:32:01.55 ID:J4ZPO0Pgo
女「そ、その何かが…『神彁混』なんですか?」
霊能少女「そうだと思われる。でも…この『神彁混』という字は…明らかに不自然なところがある」
177: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:33:03.20 ID:J4ZPO0Pgo
女「わ、分からないって、そんなことはないんじゃないですか?どんな漢字にも意味はあるんですし」
霊能少女「…じゃあ逆に聞いてみる。この『彁』という字に見覚えはある?」
178: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:37:26.31 ID:J4ZPO0Pgo
霊能少女「意味がなく、なぜ存在するのかも分からないものだと思っていい。典拠が不明で、歴史上から葬り去られた文字」
霊能少女「だから…何を指しているのか分からない。『神彁混』の謎が余計に深まった」
霊能少女「神と混ざって何かになるのか、『彁』が神になるのか…そもそも人物を指すのか、事象なのかも分からない」
179: ◆gqUZq6saY8cj[saga]
2018/03/17(土) 01:38:38.25 ID:J4ZPO0Pgo
今日はここまで
ちょっと遅れて申し訳ないです
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