285:亜人好き ◆HQmKQahCZs[sage]
2020/01/30(木) 15:38:28.04 ID:NWoGZrx70
機械天使は創造的ゴーレムの一種なので食事を必要としません。
でも、Iは高性能なNOで食事を楽しむことMOできます。
もったいないので、あまりしませんが。
ですが今日は珍しく厨房に立っているNOでした。
文献によると、恋人同士が初めにやることは手作りお弁当を食べさせることとあります。
だから私は早朝から、か、彼氏へ向けた愛情たっぷりのお弁当を仕込んでいるNOです。
甘い卵焼きとから揚げは必須。彩り良く野菜も入れて、健康も味も両立させます。
こんなこともあろうかと料理のデータをインストールしておいて助かりました。
こういうところは機械天使の長所ですね。インストールするだけで、技能を身に着けることができる。
「良い匂いがします」
R「あなたのものではありません。Z−27」
人間を基本としたさまざまなパーツがくっ付けられた、まるで幼児の芸術的作品的造形をしたのがひょっこり顔を出しました。
彼女はZ−27。私と同じ機械天使ですが、いろいろと向こうのほうが高性能。バスト以外は負けています。
といっても私には『本物』の感情というものがありますが。
………本当に本物なのでしょうか。
Z「ピピッ 焦げかけてるよ」
Zが頬につけられた27の刻印を橙色に光らせながら注意をします。嗅覚回路にはヘテロサイクリックアミンの臭いを検知。
R「おっとあぶない」
慌てて卵を丸めます。最上とまではいきませんが十分な出来のはず。
Z「味見したい」
R「これは少年さんの、と言いたいですがちょっとだけ上げまSYO」
Z「わぁい」
切り分けて二切ほどZ−27に上げました。Z−27はすぐにもぐもぐと食べ終えます。
R「どうでしょうか」
Z「普通」
おかしいですね。インストールしたデータが悪かったのでしょうか。味付けも間違ってないと思うNOですが」
Z「足りないものが一つある」
R「足りないものとは?」
Z「愛情」
話を聞いたRがバカでした。料理に愛情という成分はありません。その理論でいけば料理人はお客を愛していなければいけません。
Z−27のたわごとは聞き流し、弁当箱へ盛り付けていきます。少年さんはどのくらい食べるのでしょうか。
Z「料理は愛情なのに」
………だったらIは少年さんを愛していないということでしょうか。
……わかりません。Iはなんだか無性に胸がもやもやして八つ当たりがてら、余った卵焼きをZ−27に向かって放り投げました。
Z「ぱくり」
お口でナイスキャッチ。
まぁ、どうでMOいいです。少年さんはどんな反応をしてくれるNOでしょうか。
なんだか、お昼が待ち遠しい気分になりました。
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