少年「俺のクラスは亜人だらけ」
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244:亜人好き ◆HQmKQahCZs
2019/01/16(水) 11:55:16.74 ID:jf1djAXB0
口をついてでた言葉。それは俺自身も指名された本人も予想外のものだった。

選ぶべきではないと思ったし、本人も選ばれるはずはないと思っていたはずだ。

選ぶ理由も選ばれる理由も存在しない。なのに係わってしまった。

自分が選ばれなかったことを嘆くもの。

まさかの選択を囃し立てるもの。

眼をぱちくりと瞬かせるもの。

それらに囲まれ俺ら当の本人は思考停止状態で見つめあっていた。

なぜか真っ暗闇のローブの中には黄色の光体が二つ。瞬きするように点いたり消えたりするから多分彼女の目なのだろう。おかげで感情を察することが難しい。

少年「あー、えっと、よろしくお願いします。セルリアさん」

覆水盆に返らず。出てしまった言葉が口の中へ戻る事はない。時間が巻き戻るなんてそれこそ無理だ。たぶん否定や誤魔化しをすればいいのだろうけど、そのタイミングもすでに逃した。それに一応先輩だ。拒絶することは難しい。だからこう言って彼女に向かって手を差し出すしかなかった。

セルリア「アー、ウー、よろしく頼むヨー」

彼女が俺の手を握る。その手は予想以上に熱く、ずっと握っていれば火傷しそうなほどだった。

この距離でもローブの中を見ることはできない。ただ光体が困ったように揺れていた。



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