178:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2018/11/20(火) 16:03:57.77 ID:jQit6FKQ0
怒られた。
違いってあるのか?
よくわからないがマザーに促され俺も席に着く。
同じく席についている(座ってはいないが)子供たちを見渡すと性別も種族もバラバラ。小さい子では1メートルないし、大きい子では幼い顔だが身長がすでに俺より高い。
角が生えている子もいれば、翼が生えている子もいるし、体が水のように透き通っている子だっている。
異種族がともに過ごすことはあるが、共に暮らすのは難しい。マザーもずいぶん苦労をしていることだろう。
イヅナ「おい、おいっ」
少年「え? 俺?」
イヅナ「お前も食うよな」
少年「あー。うん。食べる」
イヅナ「ちっ、待ってろ」
オル「私もー!」
イヅナ「てめぇも待ってろ!」
なんでいちいち怒鳴るんだ。不良だからか。不良だから怒鳴るのか。
そうか。
クイクイ
誰かが右袖を引っ張った。なんだと思いそっちを見ると
「あむあむ」
子供が俺の袖に食いついていた。
袖を引っ張ったのではない。食いついていたのだ。
咀嚼に合わせて額から生えている白色の触角が左右に揺れ、半透明の液が滴り落ちる。
少年「な、なにかな?」
「あむむ」
咀嚼をやめない。
次第にべとべとしてくる。感触でわかるが体が粘膜に覆われており、その下の皮膚は弾力がありぶよぶよとしている。
しかもその粘液はねっちょりとしており非常に不快だ。
少年「あ、あのぉ。お、オルレアンさぁん?」
オル「気に入られちゃったんだね〜☆」
気に入ったものを食べるのか? 咀嚼範囲は徐々に広がり俺の右手すら飲み込まんとしている。何とか腕を引っこ抜こうとするが吸引力がすごく、引き抜けない。咀嚼される感覚がひどくこそばゆいがどうやら歯はないみたいだ。ならかじられないからあんし―――
ゾリリッ
少年「いってぇ!?」
皮膚をやすり掛けされたような感覚。なにか細かい鱗のようなもので皮膚を削られてる。
「あむ〜」
少年「お願いだから、お願いだからたべるのやめて」
オル「食べるのはいいけど舐めちゃだめだよ〜」
少年「食べるのもやめさせて!」
「あんむ」
こくりと頷き俺の右手を食む。ぞわぞわと背筋に寒気が走る。
誰か助けてくれ。
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