142:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2018/11/15(木) 15:27:50.94 ID:wSd/ZYkt0
森ほどではないが薄暗い。それに学園内でも外れのほうだから一目にもつきづらい。
確かにここならばこっそりなにかするにはもってこいの場所だな。例えば………
頭に浮かんだ恐ろしい想像をかぶりを振ってかき消す。
はは、まさかそんなことはしないだろう。
………そういえばあのドラゴンが言ってた、イヅナは番長連に行かないという言葉。
それは一匹狼だからということなのだろうか。
もしそれが番長連に出れるような存在ではないということだったら?
例えば弱い、例えばそれほど悪くない。
確かにそれならあのドラゴンの言うことも納得がいく。
それならヒョウカさんが俺に任せたのも合点がいく。
だったら俺はただ想像が作り出した影におびえる愚か者だ。
言ってはなんだがとんだ張り子の虎だったな。それにおびえる俺は差し詰めネズミってところか?
男「………!」
木がはじける火の匂い。
さすがに校内で火の匂いがするのは穏やかじゃないな。
まだ肌寒い日があるとは言え、それでも焚火をするほどじゃない。
こっそり、こっそり様子を見ながら近づいていこう。
死角にあるということは向こうからもこっちが死角になるということだ。
注意深く進みさえすれば近づくのは容易だった。話し声が聞こえる。
何やら大声をあげているようだが緊張と心音でよく聞き取れない。
俺は静かに物陰から様子を伺うと―――
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