134:亜人好き ◆HQmKQahCZs[sage saga]
2018/11/14(水) 16:39:55.48 ID:s5u9ySEi0
「弱いな。風紀委員とも思えない」
意識を失う直前に手が外された。支えをなくしてそのまま膝を折って倒れ伏す。
体が勝手に酸素を求めてあえぐ。口の中に土と砂が入ってきたがそれでも呼吸を止めることはできなかった。
「ここから先は迷い込んだじゃすまない場所だ。痛い目を見たくなければ帰ったほうがいい」
少年「げほっ、けほっ」
少年「人さがし、だ」
何度か大きく深呼吸をし、やっと脳の痺れが取れる。そうすればいきなり襲い掛かってきた相手をようやく余裕をもって見ることができた。
おそらく女だ。というのは薄暗いのと肌が鱗でおおわれているたに判別がしにくいためだ。
ドラゴニュートよりもドラゴンに近い。爬虫類の怖気が走る眼が俺を見下ろしている。鬼に続いてドラゴン。なんでこうも俺よりずっと強い奴らばっかりなんだろうな。
本当にリンネと別れたことを後悔する。
「人探し?」
少年「ここに来れば会えるかもしれないって、人に聞いた」
「………誰だ?」
少年「あー」
確か名前はイズナ。かまいたちのイズナだ。
少年「…イズナってやつだ」
「イズナ………イズナか」
反応があった。ドラゴンは俺をじろりと見て小さく頷いた。
「ここにはいない」
少年「え? でもこっちに」
「あいつはこっちには来ない」
「だが心当たりはある。案内してやろうか」
少年「!」
それは確かに魅力的な提案だ。だがしかしさっきまで俺の首根っこを掴んでいた相手の言うことを鵜呑みにしてもいいものか。
おそらくこいつは番長側の人間だ。なら同じ仲間であるイズナを売るはずがない。油断させておいてなにかされるのがオチだろう。
だがもし、だがもし本当にイズナのところへ案内してくれたら?
高い絶望と低い希望を天秤にかけるほど俺は愚かじゃない。普通ならば
だけど手詰まりの今、その提案は本当に魅力的に思えた
だから俺は―――
1.言うことを信じる
2.言うことを信じない
>>135
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