117:亜人好き ◆HQmKQahCZs[sage saga]
2018/11/12(月) 15:11:51.26 ID:NX/rimYL0
そんなこんなでリンネが仲間になった。
リンネ「え、えっと捕まえるってどうするんですか?」
リンネ「あっ、ケーキを囮にして夢中になってるところを後ろから網で捕まえるんですか?」
虫か。
男「相手は何人もいますから戦うことになるでしょうね」
リンネ「戦い、ですか。戦いはあまり好きではなくて」
リンネ「す、すいませんっ。責任をとるっていったのにこんなこと言っちゃって」
男「鬼は…戦いが好きだと聞いてましたけど」
リンネ「あ、はい。大体みんなそうです。いえ、私以外はたぶんそうです」
リンネ「私は……出来損ないですから」
男「………」
リンネ「………」
気まずい。地雷を踏んでしまったらしく、リンネの顔が曇る。
そりゃあ種族すべて同じ性格なわわけがない。あくまで傾向があるだけでおとなしい鬼がいてもおかしくはないんだ。
リンネの性格だって個人差の範疇なんだから別におかしくはない。
………そうだ。そのはずなんだ。
当然のごとく差別をしてしまったことに反省する。きっと彼女は今までずっと偏見の目に脅かされてきたんだろう。
人々がこうであれと押し付けられた鬼の影に押しつぶされて。
男「すいません」
リンネ「そ、そんなっ。私が出来損ないなのは事実ですし」
男「鬼がどうのこうじゃなくて、リンネさんはリンネさんでした。勝手な想像をリンネさんに押し付けてしまってすいません」
リンネ「………男さん」
リンネ「励ましてくれてありがとうございます。でも出来損ないの鬼ってわかってますから」
そういってリンネは寂しそうに。諦めたように笑った。
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