少年「俺のクラスは亜人だらけ」
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104:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2018/06/03(日) 21:40:07.24 ID:+E1bRNSR0
俺に関係のないことと言ってこの封筒を捨てて逃げるのは得策と思えない。

きっと公式文書の無断破棄などと言われて檻の中に入れられるのが山だ。

つまり挑戦はしたが、力叶わずが一番ベストな結果。

でもそれならどっちにしろこの不良に会いに行かなければいけないんだよなぁ。

会って話が分かる相手ならいいんだが資料には複数の舎弟がいるうえに帯刀しているときた。

なぜまぁこの学園は武器の携行が許されているのだろうか。それがなければ風紀委員ももっと楽になるのではないだろうか。

少年「………別に誰か頼れって言われてないもんな。うん」

旅は道連れ。情けないかもしれないが誰かに助力を頼もう。

しかし俺の知人は少ない。その中で頼れそうなのと言えば………

少年「俺の知り合いって少ないな」

いなかった。

ノヘジやバジロウに頼むわけにもいかない。二人に比べたらオルレアンの方がよっぽど武闘派だがあれでも女の子だ。こういうことに巻き込むわけにはいかない。

少年「打たれ強さには自信がある。うん、ミレイアに殴られ続けてきたんだから」

なんて変な自信を奮い立たせなければやってられない。

しかしこの広い学園で一体どう探せというのだろう。

足か。

情報は足で探すものなのか。

少年「無茶だろう………せめて翼でもあれ………ば?」

「おい、てめぇ! 暴れるんじゃねぇよ!! おとなしくしろおらぁ!!」

「やっちまってください兄貴ぃ!」

少年「………」ゴシゴシ

中央棟から出てすぐ、そこに目的はいた。

茶髪を後ろに流して時代錯誤の白特攻服。その背中には疾風怒濤の文字。そして身の丈に合わない長刀。

こんな奴が複数人いてたまるか。しかしどうするか。というか何やってんだ。誰かを羽交い絞めにでもしてるのか?

ゆっくりと近づいてみる。おそらくいきなり襲い掛かってくるようなことはないだろう。そう信じたい。不良でも最低限の常識はあると信じたい。

少年「!?」

猫だった。薄汚れた猫が不良と戦っていた。

「あ、兄貴! ふーきいーんっすよ!」

「んだとぉ!? げぇっ!」

どたどたばたばた。

疾風怒濤の割には泥臭い感じで逃げて行った。あっけにとられ追うこともできやしない。

「にゃーっ」

少年「………なんで猫?」

食うのか。まさか。

たしかにスラム街ではなんでも食べる奴はいた。そういう奴はたいていガラが悪かった。そうか、なるほど。

俺はスラム育ちで拾われたロード家は上流階級。ゆえに一般的な常識に触れてなかったから一般常識がないのは分かってる。だがしかし驚いたな。

不良は猫を食べるものなのか。

世界は今日も驚きで溢れている。


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