ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ
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7:魔界岸
2018/03/08(木) 01:43:35.41 ID:7Icj2emlO

「待てっ!!」

しかしどんなに走っても追いかけても距離は縮まらない。
むしろ一定の距離を保ち、これ以上離れないし縮まらないようになっているかのようだ。
本格的におかしい……まさかとは思うが怪人かもしれない。
クライシスの残党が命を狙いにきたのではないか……光太郎の中ではその可能性が高いと踏んだ。
誘導されている?と感じつつ光太郎はいつしかニューヨークの人気のない路地裏まで侵入者を追っていたが、一向に距離は縮まらない。
だが急に次の路地裏の角で侵入者はくるりとこちらを振り向く。
その振り向き街灯にさらされた素顔に光太郎は愕然とし、立ち止まり唖然とする……。
見覚えがあるとかそういうレベルの話しではない。
それは最近、夢に出てくる紛れもない親友、秋月信彦の姿だったのだ。
信彦は光太郎の姿を確認すると、角の死角にスッーと姿を消した。

「そんなバカな!?……信彦!? 待ってくれ信彦!!」

半信半疑の状態で信彦の後を追う。
信彦を追って曲がった角で見たのは男性の無惨な死体であった。
辺りを見渡すが、信彦の姿は見当たらない。
目玉はくりぬかれ、上半身は一部を除き、動物に噛みちぎられているかのようだ……。
ここで光太郎は夕方にやっていたニュース番組を思い出す。
まさか信彦がやったのか……その疑念が消えぬままその場に立ち尽くすしかない光太郎。
けたたましいパトカーのサイレン音が光太郎の周囲に響き渡る。
このサイレンと共に脅威が来襲し、新たな戦いが始まる……その確信を光太郎は強める。
だが今はこの場をすぐにでも立ち去らなければ、自分が疑われてしまい厄介なことになると思った光太郎は釈然としないながらもホテルへと急ぎ戻るのであった。



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