ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ
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魔界岸
2018/03/11(日) 02:27:41.81 ID:Y8ZCGh7yO
「グッモーニング甲平! 今日は遅刻確定だな!もう見学者たち来てるぞ!」
ハッハッハッ!とちゃかして笑い飛ばすのは甲平の大学からの付き合いで同期であるトニーという職員。
部署が違う為、職場ではあまり合う機会は少ないがたまに合うとこうしてちゃかし合ったり、プライベートでは飲みに行ったりする仲だ。
「うるせーな 遅刻じゃねーよ 後五分あるだろ?」
「いや正確には後四分と三十秒だ」
「広報部は時間に余裕があっていいよなぁ それはそうと人の心配するよりもお前は自分の嫁さんの心配しとけよ」
トニーは大学時代から付き合っていたガールフレンドのクレアとコスモアカデミア入社直後に結婚、そしてこの前、奥さんの妊娠が発覚。
甲平はクレアと同じサークルだったこともあり親交があった。
トニーにクレアを紹介したのも甲平で恋のキューピッドである甲平にしてみれば自分のことのように嬉しかった。
「クレアは順調だから良いとして、今は甲平の遅刻が心配さ!だって残り時間が後三分しかない!」
「あぁーもう! お前せいでホントに遅刻しちゃうだろ!」
遅々として進まない準備に甲平は結構本気でイラついているがトニーはお構い無しにそんな甲平の肩を優しく揉みだす。
「まぁそう怒るなって それはそうと今日、家に来ないか? クレアの妊娠と誕生日を祝ってやりたいと思ってさ」
「夫婦水入らずでやってくれよ……」
「そう言うな クレアもお前が来たら喜ぶし、何よりお前が心配なんだ この前からずっと働き詰めだろ? たまには息抜きも必要さ 久しぶりに大学の時みたいに三人で楽しもうぜ?」
遠回りしたが、なんだかんだでそれが言いたかっただけ。
付き合いが長い甲平にはそれがよく分かっている。
ジョークを言いつつも、その中に感謝と優しさを忘れない……それがトニーと言う男だ。
「分かった、分かった そんなに言うんなら行ってやるよ クレアに直接おめでとうと行ってないし」
甲平がそう言うとトニーは嬉しそうに肩をちょっと強めに叩くと背を向ける。
そして部屋を出る直前に甲平に一言。
「遅刻するなよ? 後、二分ないぞ!」
「やっべ!」
甲平は慌ててコスモアカデミアの制服を着ると、今日のガイドの流れが書いてある資料を手に取り、まず自分の部署にダッシュし部長に出勤した報告。
そして、そのまま全速力で直線上にあるエレベーターには乗らずに階段を下る。
見学者たちはまず、見学者用の入口で待機することになっているはず。
その入口は従業員専用入口の二つ下の階、つまりここからだと一つ下の階だ。
ならエレベーターより断然階段を使った方が早い。
そして階段を二つ飛ばしで降りていき、ドアを開けると受付の女性の人がいる目の前の椅子に三人の人たちが座っていた。
見学者は彼らで間違いないだろう……甲平が腕時計を確認すると時間はピッタリ。
甲平は安堵し、一つ深い息を吐くと三人に近づく。
「えっと……今日の見学希望の方ですか?」
「はい!」
「南光太郎様、佐原茂様、佐原ひとみ様でお間違いはないですか?」
甲平が近づくと三人が立ち上がり、身長の高い白いジャケットを羽織った保護者らしき男性がニコやかに頭を下げる。
「そうです! あの急な予約だったんですが、今日はよろしくお願いします!」
保護者っぽいけど、なんだか若々しい……名字も違うがどういう関係だろうか……。
続いて、高校生くらいの男の子と小学校高学年くらいの女の子が同時にペコリと頭を下げる。
「よろしくお願いします!!」
「よろしくお願いします」
この高校生くらいの子がゆいの言ってた子だろう……元気があるし、確かに真面目で正義感が強そうな印象は受ける。
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