花丸「──最後の誕生日。」
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3: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2018/03/03(土) 23:36:10.41 ID:P/7cf6ip0


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そして、誰もが1年に1度だけ、胸を張って主人公になれるんじゃないかな?──そんな日が誕生日だと思う。

マルはAqoursの中でも一番誕生日が遅い3月4日

そんな日を閉校を間近とした浦の星女学院の図書室でぼんやりと過ごしている。


善子「ずら丸? 何してんの?」

花丸「……善子ちゃん」

善子「部室はパーティで大盛り上がりなんだけど……主賓が勝手に席外すんじゃないわよ」

花丸「あはは……ごめんなさい」

善子「それで?」

花丸「ずら?」

善子「何してたの?」


善子ちゃんがマルの顔を覗き込んで尋ねてきた。


花丸「……うん。ここの匂いを感じてた……のかな」

善子「匂い……?」

花丸「本の匂い──紙と糊の匂い……マルがずーっと一緒に過ごしてきた、落ち着く場所なんだ」

善子「……そう」

花丸「……こことももうお別れだね。明日くらいからは本腰入れて、本の整理も始めなくちゃいけないし」

善子「……そうね」


善子ちゃんは頷くと、図書室の受付の机を飛び越える形で、こちら側に飛び行ってマルの横に腰を降ろした。



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