【バンドリ】氷川日菜「あまざらしなおねーちゃん」
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78:名無しNIPPER[sage]
2018/03/01(木) 09:25:54.46 ID:ueeqel/10
紗夜(最後の1ストローク。震える弦を掌でミュートした。音が消える)
紗夜(熱に浮かされたような気分だった。寝起きのおぼろげな意識のように頭がぼーっとする)
紗夜(そのまま俯いて目を瞑った。そして脳裏に思い浮かべる)
紗夜(きっと、日菜は輝いた表情をしているでしょう)
紗夜(つぐみさんは練習でよく間違えていた歌いながら演奏するフレーズをちゃんと弾けて安心しているかもしれない)
紗夜(白金さんは落ち着かずにソワソワしていそうだ)
紗夜(宇田川さんはもしかしたらこんな自分のギターにまた「かっこいい」なんて思ってくれているかもしれない)
紗夜(湊さんはどうだろうか、きっとまだ試すような顔をしていそうだ)
紗夜(今井さんは心配のし過ぎで泣きそうな顔をしているかもしれない)
紗夜(……ああ、そうか。これで)
紗夜(……私は、やっと私は……氷川紗夜を信じることが出来たんだ)
紗夜(私は震える右手を、被ったつば広帽子に伸ばす)
紗夜(今までありがとう。弱い私を守ってくれてありがとう。もう、私は大丈夫)
紗夜(帽子をゆっくりと脱ぐ。そして顔を上げる。きっと眼前の風景は、私が思い描いた通りのものだろう)
紗夜(そう思って、私は瞼を開いた)
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