【バンドリ】氷川日菜「あまざらしなおねーちゃん」
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52:名無しNIPPER[sage]
2018/03/01(木) 09:11:11.71 ID:ueeqel/10
紗夜「昨日笑われた君の本気も 捨てないでよ 君の番だよ」
日菜(おねーちゃんは最後まで歌い切り、大きくギターをかき鳴らす。その音が消えると、あたしは大きく拍手した)
日菜「やっぱりおねーちゃんってギター上手だね!」
紗夜「……ええ」
日菜(おねーちゃんは迷うぞぶりを見せてから、帽子を脱いだ。そしてあたしをまっすぐに見つめてくれた)
紗夜「日菜、その……」
日菜「……んーん。大丈夫だよ、おねーちゃん」
紗夜「…………」
日菜「あたしはおねーちゃんが元気になってくれるならそれで満足だし、前に進もうって思ってくれたなら、それだけでもういいよ」
紗夜「……ごめんなさい」
日菜「いいんだよ。向き合うって……決めたんでしょ? なら、いいんだよ」
紗夜「ごめんなさい、日菜……」
日菜「いいってば」
日菜(俯いたおねーちゃんはきっと涙をこぼしているだろう。その涙の意味も、謝罪の理由も、もうあたしは知ってるんだから)
日菜「あたしはへーきだよ。なにがあったって、あたしはおねーちゃんのこと、ずーっと大好きなんだから」
紗夜「日菜……っ」
日菜(俯いたまま肩を震わせるおねーちゃんをそっと抱きしめた。その体は思っていた以上に小さかった)
日菜(……こんなに小さな体で今までずっと戦ってたんだ)
日菜「辛かったよね。それでも頑張ってたんだよね」
日菜「……あたしの方こそ、今までホントにごめんね。おねーちゃんのこと、ずっと、ずっと傷付けてたんだよね」
紗夜「…………」フルフル
日菜(おねーちゃんは何も言わず、小さく首を横に振った)
日菜(それだけでもう十分だった。今でのあたしの全部が報われたんだ。そう思えた)
日菜「そしたらさ、もう少しだけ……一緒にがんばろーね、おねーちゃん。あたしに出来ることがあればなんでもするからさ」
紗夜「……ええ」
日菜(おねーちゃんは小さく頷いた)
日菜(もうおねーちゃんは大丈夫だろう。あたしの手助けなんかなくったってすぐに記憶を取り戻すだろう)
日菜(それでもあたしは、まだまだ、ずっと、おねーちゃんを助けられる存在でいたいんだ)
日菜(どんな小さなことだっていい。おねーちゃんを助けてあげられることを探そう)
日菜(そう思って、あたしは涙が止まるまでおねーちゃんを抱きしめ続けた)
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