67: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/09(金) 06:09:35.24 ID:78N2qSGMo
だかしかし、姉はキョトンとする妹の顔をまじまじと見つめ返したのち。
「うん、変わった。成長した。海美ちゃんってば随分女の子らしくなってるよ」
それは最近になって成長著しい自分の体つきのことか?
それとも姉の真似をして伸ばしている髪がようやく腰まで届いたことだろうか?
眉をひそめ、考えだし、答えを求める海美の姿に姉はくすくす笑い出した。
「もー! お姉ちゃん何がおかしいの〜?」
海美が頬を膨らませ抗議すると、こしらえたばかりの三つ編みが動きに合わせてバッと揺れる。
つい最近になって姉に作り方を教わったばかりの髪の束は、編み慣れていないせいかまだまだ粗さが残る出来。
しかしながら、それは姉から見ると明らかなお洒落への目覚めだった。
中学に入ってからは多少の落ち着きすら身に着け始め、これまではとんと興味も示さなかった
ファッション雑誌をこっそりとチェックする妹の姿も何度も目撃していたのだ。
「好きな人でもできたのかな?」
からかうような姉の発言に、愛らしい妹はただただ頬を赤く染めた。
当時は柄にもないことをしているという照れ隠しの反応だったのだが、
恋を理解した今ならば、彼女は真なる意味で真っ赤になれるに違いない。
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