15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 20:48:05.33 ID:1Dz8wOupo
仮の話、高坂海美を知らぬ者はアイドル事務所765プロを知らない者である。
もしくは芸能人という生き物に対しての興味を露ほど持たない変わり者、
でなければP氏の圧倒的プロデュース不足、職務怠慢の動かぬ証と言えるだろう。
そんな氏に代わってあえてこちらで補足すれば、各々お手元の検索端末に『高坂海美』と打って検索。
可愛らしい彼女の容姿がハッキリと確認できたならば話を先へと進めよう。
余談だが、ファンクラブの会員は無休で随時募集中だ。
さて、この天真爛漫と猪突猛進を足して二で割った性格をした少女は出迎えたP氏へ詰め寄るなり
「私ね、今日のお仕事が終わったから劇場からここまで急いで来たの!
だってプロデューサーが私のせいで腰を痛めたって話を聞いたから、とにかくプロデューサーに直接会って謝らなくちゃって!!」
「む、う」
「それとね、ぎっくり腰だっけ? 聞いた話じゃ立ってられない程痛いって……あれ?
でもプロデューサー普通に立ってるよね。もしかして腰を怪我したのって勘違い?」
「いや、そんなことは……。今だって中々しんどくって」
「わっ!? 確かによく見たら結構汗かいてる……。プロデューサー、しんどいなら横になって無いと――って、あぁっ!?
もしかして私が来たから無理させた? だったらホントに、ごめんねっ!」
と、海美は会話に地の文を差し込む余裕すら与えず捲し立てるとそのままP氏の家まで押し入った。
その熟練の押し売りセールスだって舌を巻く手際の鮮やかさは夏の嵐のようでもある。
もしくは強制スクロール。家の中という画面端に押し切られてしまったP氏の目に、
陣中に討ち入る猪武者の幻影が小柄な少女に被って見えたのも恐らく気のせいの類ではないだろう。
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