138:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 04:39:12.52 ID:vX9epH5+0
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「犬井さんは,本当にロボットなのか」
「あのレベルの外見は見かけることはあるでしょうに,なにを気にしてるわけ?」
「なんというか,初めて会った時の犬井さんの笑顔が,本物に近いと言うか,久々に見た癒しだった」
この数か月,天使も凍りつく様な邪悪な笑みなら幾度となく見たが,それとはまるで別種だ.
「あんたの言うことも一理あるわ.笑顔は表情筋を始めとして様々な筋肉が複雑に作用して,作られてる.何度もシミュレートしても,不気味の谷に落ちてしまうことだって有るわ.笑顔が,一番作りにくい表情って,笑える話よね」
彼女は乾いた笑い声をあげた,そこから彼女の苦労がにじみ出ているようだ.すこし意外だった,
「君のことをすこし勘違いしてた.ただの性格の悪い科学者じゃないんだな」
「その糞みたいな同情をやめないと,殴るわよ.数百kgを支えながら動いてる背後のアームで」
「悪かった,本当に」
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