130:名無しNIPPER[saga]
2018/06/24(日) 01:20:14.13 ID:UcaOh9Zb0
「なぜ,僕にそんな親切にしてくれるのですか」
溜まっていた疑問は口を衝いて,出てきた.
言ってからの後悔は,頬を赤面させるのに十分だった.自意識過剰かもしれない
当の本人の犬井さんはからりと笑って,目を細める.
「好きだからじゃ」
握っていた手をぱっと放して,僕と正面から向き直る.
「想像たくましく悩み,いかなる行為にも理由を求める.
それが意味のないことだとしてもせずにはおられぬ」
その一つ一つの言葉たちは,彼女から僕への仕返し.
「他にどんな理由があると思っていた?」
僕は絶句するよりほかない.
147Res/81.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20