111:名無しNIPPER[saga]
2018/03/24(土) 01:54:41.85 ID:RQ9IlSOL0
3 「先ほどの方,すごい剣幕でしたね」
男仁さんはこちらをちらりと見てから,答えた.
「こちらの仕事に満足していただけなかったようですね.驚かせてしまい,すみません」
「いえ,それは大丈夫だったのですが…」
僕が気になっているのはむしろ,男仁さんが発した『勢い余って彼女の命を縮めることにならないよう,ご考慮ください』という言葉だった.
しかし,それを聞くと,秘密に立ち入ってしまう.だから口をもごもごと動かすしかできないのだった.
男仁さんは.なにかを察した様子で箸をおいた.
「もし,気になるなら,彼女に直接尋ねてみることです.私の口からは,なにも話せません」
仰るとおりで,男仁さんには個人情報を守る義務がある.
嫌でも実感することだが僕は,こういう場面で頭が回らないんだ.理屈ではなく,感情で行動してしまう.
だから,僕は不手際をごまかそうと口からぽろっとこぼしてしまった.
「いや,そのSADというのが気になってしまって…」
言ってしまっては後の祭りである.
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