大石泉「気遣う心に、ちょっとだけ下心」
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2:名無しNIPPER[sage]
2018/02/27(火) 23:20:55.71 ID:A9Mm8babo

 ううん、と腕を高く伸ばしてプロデューサーは唸った。パソコンとにらめっこし過ぎて疲れた頭をそろそろ休めないといけない。業務も程々に休憩を入れなければ作業効率が落ちるだけである。
 窓から陽の明かりは見えず、代わりに月の淡い輝きと、街を照らす街灯やビル群のイルミネーションが見えていた。どうやらすっかり日もくれているようだ。
 時間も忘れて作業に没頭していた、と言えば情熱を燃やすワークマンのようで聞こえはいいが、要は仕事の抱え込みすぎだった。有り体に言えば社畜である。
 彼の仕事はステージのセットリストや誰を出演させる等の大まかな概要の考案作成であったり、新曲の方向性であったり、アイドルそれぞれのスケジュールの確保であったり、上記それぞれ或いはそれ以上に対応する書類作成であったり。
 他にも様々なものであり、それら全てを文章で語るには文字数が嵩張り過ぎてしまいとても全容を語れないほどに、プロデューサーの仕事は多岐に渡る。
 アイドルたちがそれで輝けるのならば誇らしいし、進んでやりたいと思えるのが彼の人間性ではあるが、それはそれとして人間は疲労をする生き物である。
 さすがに集中力がきれてきたから、ほんの少しだけ仮眠を入れようと彼は自分の携帯端末を操作し、十分後にアラームをセットしてから、ソファーに席を移して、アイマスクをつけた。
 ほどなく一分もしないうちに彼はすぅすぅと寝息をたてた。



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