22:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:12:28.04 ID:q6OJlgc60
「頑張ってね上泉さん。 あなたならトップアイドルも夢じゃないわ」
「ありがとうございます。 えぇ、恐らくアタシはトップアイドルになるでしょうね。 ……でもそれじゃあ足りないんですよ」
「トップアイドルになるってのに、何が足りないの」
23:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:13:19.51 ID:q6OJlgc60
いつしか彼女は「オーバーランクアイドル」と呼ばれるようになっていった。
日本中が玲音に湧いている中、10年Dランクにい続けた私は、ひっそりと引退の話は決まった。
先のジンクスを知っていた事務所もプロデューサーも、同意した。
24:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:14:14.18 ID:q6OJlgc60
ラジオとコラムの仕事もそれに伴い、終了となった。
楽しかったし、良い評価もいただいていたのだけれども、アイドルを引退する私が、そうやってアイドルで取ってきた仕事をするのはなんか違うように感じられた。
いつでも戻ってきていいよ、と言ってくれたのは救いだった。
25:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:14:57.03 ID:q6OJlgc60
ファンのみんなからのサプライズの合唱だったりで泣かせたり、泣かせられたりした引退ライブは終わり、私たちは事務所へと戻った。
「お疲れ様」
コーヒーと砂糖を三つ渡しながら、プロデューサーはそう言った。
26:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:16:09.60 ID:q6OJlgc60
「無いよ。 やりきった、今はそう思う」
「……そうか、よかった」
沈黙。
27:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:17:02.76 ID:q6OJlgc60
「……タバコはやめとけ。 健康に悪い。『アイドル』としての人生は終わったかもだけれども、お前の人生はまだ長いんだから」
プロデューサーは呆れながらそう言った。
そりゃそうだ、と素直に納得した。
28:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:17:59.68 ID:q6OJlgc60
「私、『アイドルマスター』を取る!」
「……今日、引退したんだよな。 お前は」
「そうだよ?」
29:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:18:56.11 ID:q6OJlgc60
『アイドルマスター』という称号は、日高舞がトップアイドル中のトップアイドルになった時に創設されたランクだ。
恐らく玲音は2代目を取ることになるだろう。
そしてこれには逸話がある。
30:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:20:25.86 ID:q6OJlgc60
「ってことは、今後はプロデューサー志望ってことでいいのか」
「うん」
これから先、もっとアイドルになりたい子は増えていくだろう。
31:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:21:07.37 ID:q6OJlgc60
「おーけー、なら人事に話通しとくから空いてる日付を教えてくれ」
「……面接からなの!」
「そりゃまぁ一応雇うわけだしな。 履歴書もちゃんと用意しとけよ」
32:名無しNIPPER
2018/02/26(月) 19:21:56.69 ID:q6OJlgc60
お読みいただきまして、ありがとうございました。
最初の方は文字が詰まってしまい、読みにくくなって大変申し訳ありませんでした。
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