1: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 01:54:13.35 ID:28538mFf0
「んっ、このくらいで大丈夫かしら……?」
私、如月千早は今自宅にて二人分のちょっと遅めの夜ご飯を作っている。
何故一人暮らしの私が二人分を作ってるかと言うと、その話は昨日の事務所にさかのぼる。
〜〜〜〜〜
〜〜〜
〜
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2: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 01:54:58.27 ID:28538mFf0
「突然で悪いのだけど。明日、千早の家に泊めてもらえないかしら?」
そう言って事務所で本を読んでいた私に話を切り出したのは伊織だった。
「えっ、構わないのだけれど……突然家に泊めてほしいってなにかあったの?」
3: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 01:55:30.99 ID:28538mFf0
「べっ、べべ別に深い理由はないんだけど?
明日、明後日で朝早くからちょっと夜遅くまでお仕事が入ってて……あ、後、ちょっと用事があるから?」
とのこと
4: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 01:57:50.95 ID:28538mFf0
そういった経緯でそろそろ伊織が泊まりに来るので少し遅めに夜ご飯を作ってるわけなのだけど。
ピンポーン
と来たみたいね。
5: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 01:58:43.71 ID:28538mFf0
「お邪魔します、遅くなったわね」
そう言って少しくたびれ気味に部屋に上がり込んだ
「いらっしゃい、お仕事お疲れ様」
6: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:00:01.52 ID:28538mFf0
「お言葉に甘えていただくわ……実は丁度、ご飯食べそこねたからお腹ぺこぺこよぉ……」
そう言って伊織はお腹をさする、気をぬくとぽへぇ〜と気が抜けそうな顔がちょっと面白い。
「ふふっ、できるまでもう少しかかるから先にお風呂にはいってくるといいわ」
7: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:00:38.81 ID:28538mFf0
「そうなの? それじゃあ、夜ご飯終わったあとにでもいただこうかしら」
「そうね、それじゃあ冷蔵庫にいれて先にお風呂いただくわ」
そう言って伊織はパタパタと冷蔵庫に箱をいれお風呂場へ向かって行った。
8: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:02:03.62 ID:28538mFf0
そろそろご飯ができる頃合いね、呼んで来ようかしら?
と思っていたらお風呂の方から足音がし、伊織がパジャマ姿で出て来た。
「千早、お風呂ありがと……んー、良い香りね」
9: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:02:36.17 ID:28538mFf0
食卓に並んでいるのはご飯、味噌汁、焼き魚、お漬物。
少し前から春香に習って料理の勉強をして少しは作れるようになった品の数々。
「凄いわね、これ千早が全部作ったの……?」
10: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:06:38.00 ID:28538mFf0
「「ごちそうさまでした」」
「千早の料理美味しかったわよ♪」
お茶碗に米粒一つ残さず伊織が言う。
11: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:07:56.82 ID:28538mFf0
シャワーを軽く浴びて戻ると
「だいぶ遅い時間になっちゃったけど、プリンの箱、開けちゃわない?」
そろそろ深夜を回りそうな時間に唐突に伊織がそう言いながら冷蔵庫のほうへ移動していた。
12: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:08:54.41 ID:28538mFf0
……まぁ、持ってきてしまったのなら自分に甘えてちょっと食べよう。
パカ
と、箱を開けたらプリンではなく二切れのケーキが入っていた。
13: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:10:34.36 ID:28538mFf0
と言われ、ケーキに視線を戻して見たら片方のケーキの上に白いチョコ板が乗っていたのに気づいた、そこには
『ハッピバースデー如月千早ちゃん』
ハッピバースデー……?
14: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:13:58.38 ID:28538mFf0
サプライズ大成功と言った顔で、お泊まり用の荷物のポケットから小さめな箱を取り出した。
「その様子だとやっぱり千早、誕生日のこと抜けてたのね〜」
図星だ、ここ最近は確かに忙しくて今まで自分の誕生日のことがすっぽり抜け落ちていた。
15: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:19:00.80 ID:28538mFf0
「この伊織ちゃんからのプレゼント開けてみなさいな!」
手渡された箱の中には『♪』の形をしたヘアピンが入っていた。
「あんまり千早はこういうのを付けてるところを見たことなかったし、似合いそうだったからプレゼントに包んでもらったの」
16: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:21:09.20 ID:28538mFf0
「せっかくだし、今付けて見なさいよ♪」
と催促をしてくる。
ライブの衣装とかでないと、あまりこういうものを普段付けることが無いからどう付けたら似合うのかしら……
17: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:22:34.97 ID:28538mFf0
スッスッ
髪を少しまとめられヘアピンを通される、なんとなくくすぐったい気持ちを感じていたら
「にひひっ! こんな感じでどうかしら?」
18: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:24:26.82 ID:28538mFf0
普段あまりこういうおしゃれをしないものだから写真を見てもいまいちピンとこない……
「似合っ……ているのかしら? 自分ではよく分からないわね」
と言っていると、何か思いついたのか少し悪そうな顔をして「ちょっと待ってなさい」とスマホを操作しだした。
19: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:26:38.15 ID:28538mFf0
数分後、伊織のスマホから着信音がしてそれを確認すると私に画面を向けた。
春香『千早ちゃん、すっっっごくにあってる!!!!』
20: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:31:49.67 ID:28538mFf0
「えっ、も、もしかして」
「似合ってるか自分じゃ分からないって言ってたから皆に似合ってるか送っちゃった♪」
送っちゃった♪らしい。
21: ◆EPKUmfWUD6[sage saga]
2018/02/26(月) 02:40:01.78 ID:28538mFf0
さすがに耐え切れず伊織の名前を呼ぶと
「こっちの方が千早の反応も面白いと思ってね〜、さあ夜も遅いし千早もケーキ食べて寝ましょ?」
と満足げな顔でケーキを一口。
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