18:名無しNIPPER[saga]
2018/03/04(日) 21:51:35.31 ID:OveROufQ0
翌朝、大学で授業が始まるのを待ちます。
一限の授業は八時五十分からで、私はいつも五分前に教室に着くように意識します。
よく知らない子たちにひそひそと噂されるのも嫌だし、遅れて行って不真面目だという印象も持たせたくないから。
「おはよう」
「あ、おはー」
同じ学部のまどかちゃんです。数少ない、大学でできたお友達。知り合って早々に「アイドルってことはさ、俳優と知り合ったりする? 合コン開いてよ」なんて厚かましくお願いしてきたのは彼女くらいですが、そのストレートさは嫌いじゃありませんでした。
私がアイドルであることを知ったうえでこそこそ近づいてくるような人よりは、いっそそうやって堂々と振ってくれた方が気が楽というものです。
「昨日の握手会、どうだった?」
「んー、嫌な人がまた来た。でも大丈夫、いつも通りだよ」
嫌な人、とはタケシタのことです。名前はあげませんが、それくらいなら彼女は笑って聞き流してくれます。
「そっか。ま、アンタには私が○○くんと合コンするまでアイドル続けてもらうからね」
○○くん……ああ、聞き覚えがあると思えば、アイナちゃんが合コンをすると話していた俳優でした。
さすがにそれを私から教えることはできないので、「私なんかじゃ無理」とだけ伝えておきます。
「はいはい……あ、これ、この間の分ね」
渡してくれたのは私が出られなかった授業をまとめたルーズリーフです。お仕事で出席できない分は、こうやって彼女がまとめてくれます。
チャラチャラしてそうで、勉強はしっかりするギャップも、まどかちゃんの良いところではないでしょうか。ギャップ萌え。
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