6: ◆0vdZGajKfqPb[sage saga]
2018/02/24(土) 01:00:14.99 ID:d89W1gDH0
ラテの残ったカップとバッグを脇に置き、そーっと猫に近づく。人に慣れているのか、目と鼻の先まで近づいても逃げ出すことはなかった。
「野良チャン……じゃないか、首輪してるもんね……迷い猫チャン?」
飼い猫らしき彼は一鳴きして答えたが、今のみくに猫語を判別することはできなかった。ガラス玉のような青い目が、きれいな猫だった。
猫がベンチの上を移動する。みくは一度首をかしげたが、その動きに合わせて影が動くのを見て納得した。どうやら彼は、迷子というより、遊びに来て日向ぼっこをしているらしかった。
「ごめんね、邪魔しちゃったみたいだにゃあ……よいしょ、と」
日光を遮ってしまわないように、猫の隣に腰かける。確かに、向こうのベンチよりもこちらの方が暖かい。
「そっか、ここが君のお気に入りなんだね」
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