53:名無しNIPPER[saga]
2018/04/25(水) 22:10:13.23 ID:VNhiJr+O0
理樹(僕がシャワーを浴びている間に二木さんが近場で適当な服を見繕ってくれた。この借りはいつか3倍にして返したい)
佳奈多「鈴さんの電話番号覚えてる?」
理樹「うん。言っていい?」
佳奈多「………私の時もそうだったけど今時、家族のでもない電話番号をよく覚えてるわね」
理樹「……記憶力がいいんだよ。最近」
……………………………………………
佳奈多「棗鈴さん?……ええ。覚えているかしら?葉留佳の姉の……」
理樹「……………」
佳奈多「〜〜〜〜」
佳奈多「……そう。本当にいいんですね?……はい」
理樹(奇妙な感覚だった。ずっと会いたかった鈴が電話の向こうに、とてもあっさりと届く距離にいるんだ)
佳奈多「……じゃあそこで今から2時間後に」
理樹「なんだって?」
佳奈多「会ってくれるらしいわ」
理樹「良かった……」
佳奈多「でも分かってる直枝?鈴さんと話した後はまた病院に戻るのよ」
理樹「うん……」
理樹(そう。このうまく行きすぎているようにも思える状況は最後に必ず終わりを迎える。まるで死刑囚が最後の晩餐に自分の好きな物を食べているように、爽やかながらもいくらか悟ったような辛さだった)
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