41:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 23:13:22.47 ID:XCeenfMP0
理樹「ッグゥ……ッッ!!」
理樹(この歳になって初めて悶絶という言葉の意味を理解した。映画やドラマではよく見る「関節外し」だ。
この方法を使うヒーロー達は少し痛がるくらいでするっと抜け出すが、僕の場合ただの親指を外すだけでも声を抑えるのが精一杯だった。もし仮に悲鳴をあげて他の患者が起きて騒いだりでもしたらその瞬間すぐに看護師が駆けつけて来る。実際、ずっと前に似たようなことが起きてすぐに別のもっと厳重な場所に移されていた)
理樹(ともあれ1時間ほど時間をかけてようやく手錠を外し、両手の指をはめ直した。真人直伝の痛みの和らげ方_____そのやり方自体も昔、僕自身がどこかで見聞きしたことなんだろう_____を教えてもらってもまだ尋常じゃない感覚が残っていた)
真人「起き上がれるか理樹?」
理樹「大丈夫……なんとか…」
理樹(指のあたりがどこかに掠れるだけで衝撃が襲ってくる。だけどまだ指が考えている通りに動くというのはまだ運が良いほうだろう。誰も起こさないようゆっくりと起き上がった)
理樹「ええと次は…ああ、そうだ。檻に鍵がかかってたね…」
理樹(病院内のあらゆる所には僕らが勝手に出れないように檻が設けられている。それは室内も同じで、刑務所のそれとは違う真っ白な檻は精神病院という奇怪な空間の演出に一役買っていた)
葉留佳「へっへっへー!ここはあっしに任せてくだせえ!」
理樹(僕にしか聞こえないとはいえ葉留佳さんの声は思わずここに眠っている全員を起こすんじゃないかと心配するほどの声だった)
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