65:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:41:56.00 ID:PoruoH2d0
草原を抜け、森を抜け、山を抜け、また森を抜ける。
ラッキーさんの運転するジャパリバスは、道かどうかもよく分からない場所を突っ走っていた。
さすがのぼくも不安になってきたけど、何せパーク中の全地形を把握しているラッキーさんのことだ。ちゃんととしょかんに着くだろう……たぶん。
それよりも、ぼくが心配しなくちゃいけないのはサーバルちゃんの方だ。
夢から救い出さない限り、サーバルちゃんの苦しみ……そしてぼくの苦しみも、消え失せることはないだろう。
ぼくがサーバルちゃんと絡めている方の腕にぐっと力を入れると、サーバルちゃんもまた力を込めた。
「サーバルちゃん、気分はどう?」
「…………足りない……」
「え……」
どさっ
「さっ……!?///」
なんだろうと思ったのも束の間、サーバルちゃんはぼくを痛くない程度に押し倒し、そのままゆっくりと体を重ねた。
「お願い……しばらくこうさせて……」
「べ、別にいいけど……」
(恥ずかしい……///)
サーバルちゃんがぼくにわがままを言うのも珍しいが、服に肌を擦りつけて、すんすんと息を荒らげる様子は、それまでのじゃれあいとはまた違って、自然と顔が赤くなってしまう。
そして、健気にぼくの存在を確かめようとするサーバルちゃんを見ているぼくの中に、ぞわぞわと不思議な感情が溢れ始めていた。
その感情の名前を、ぼくはまだ知らなかった。
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