3:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 23:23:28.91 ID:TkjN/KL+0
「あっ、いえ、こちらこそ、す、すみません」
若干どもりながらも返事をする。
視線をその手から腕、腕から顔に移していくと、そりゃもう、可愛い女の子がそこにいた。
女の子の服とかよく知らんけど何かおしゃれ。黒髪のセミロングくらいで、髪の隙間から見えるちっちゃいピアスが清楚な顔立ちと髪型とのギャップを主張していて、それもまた良し。
ごめん、二次元。この店は三次元と二次元の天使たちを繋いでくれる天国だと思ってたけど、やっぱバリバリ三次元だわ。だって三次元の天使がここにいるんだもの。
お互いその一冊しか並んでない漫画に再び手を伸ばすのをためらっていて、どうしようどうしよう何か言わなきゃと思っていると、彼女が口を開いた。
「すみません、どうぞ。私、他にも読みたいのあるから、そっちにします」
「あ、あぁ、はい。すみません、ありがとうございます」
会釈をして、天使はそこを去っていった。
ありがとう失恋。ありがとう少女漫画。
正直買うかどうかなんて決めていなかったけど、君のおかげで天使ちゃん(仮)と会話ができたよ。お礼に君を買うことにしよう。
ギャルゲを持っていたことは忘れよう。どうせあの子と会うことも、これが最初で最後だろうし。俺が何を持っていても、きっと彼女は気にしていない。
そんじゃ、コーヒーでも飲みながら漫画読もうかな。
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