【安価】京太郎「派遣執事見習い高校生?」いちご「その45じゃ」【咲-Saki-】
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273: ◆t2KkLw8Fc7QA[saga]
2019/05/02(木) 16:09:35.62 ID:dop3vfBI0

神代父「先の質問は、少し言葉が足りなかったな……どう言うべきか――よい思い出のないこの地にいて、辛いとは思わないか、ということだよ」

京太郎「…………そういう意味でしたら、辛いと感じたことはありません。それ以前に、よい思い出がないとも思いません」

神代父「大人たちの身勝手な思惑に巻き込まれ、幼い記憶を奪われ、約束されていた輝かしい未来を奪われたというのにかね?」

京太郎「確かに……昔の記憶がなかったことで、こまちゃ――小蒔先輩に申し訳ないことをした、とは思っています」

京太郎「でも、それを思いだすより前に、俺はここで色々な思い出を作りました。多くの人のお世話になり、自分を成長させることができました」

京太郎「記憶が戻っても、その頃とのギャップを感じても、それ以上にいい思い出が、この地にはあるんです……だから、俺はここにいます」

京太郎「この場所が好きなんです、ここに住む人たちが……とても」

神代父「……だが、それでもだ。あの頃、私たちがもっと冷静で分別がついていれば、君はより多くのものを手にしていたはずだ。違うかね?」

京太郎「……違います。そのことで手にしたものがあったとしても、手にしていなかったものも、同じくらい――それ以上にありました」

京太郎「麻雀の腕も……今日提供した料理も、俺がこの地を離れたからこそ、得られたものです」

京太郎「確かに、一時期は……俺にはなんの力もない、才能もないと打ちのめされて、ヤケになりかけたこともありました」

京太郎「そんな俺に差し伸べられた手と、そのことで得られたいくつもの縁や経験は、俺がこの地を離れて得られたものです」

京太郎「いま、俺の周りにいる人たちが与えてくれたものです。胸を張って誇れる、俺の宝物です」

京太郎「その一つが、この場所と、この地にいる人たちなんです。俺がここにいる理由も、ここにいたいと俺が思うから――それだけです」

神代父「…………ああ……ああ、そうか……そう、なのだな――」

京太郎「あの……?」

神代父「いや、すまない……この地を、そのように思ってくれていることを、この地に根ざすものとして、心から嬉しく思う」

神代父「確かに、君の言う通り……君はここを離れ、よい経験をし、よい成長をしたようだ。私たちの過ちを正当化するわけではないが、本当に……」

神代父「…………なぁ、京太郎くん」

京太郎「はい」

神代父「先はああ言ったが……これは、神代の当主からの言葉として、聞いてほしい」

京太郎「はい」

神代父「私たち大人の間違った行いが、君と小蒔……幼い子供の心を深く傷つけたことを、心から詫びさせてもらう。本当に、申し訳なかった」フカブカ

狩宿・薄墨・滝見・十曽『………………』フカブカ

石戸「………………」シブシブ



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