33: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/02/16(金) 01:26:43.12 ID:oMgPCNNI0
「驚きましたわ。朝起きたら大変なことになっていたんですもの」
「みんなそうさ。にしてもよくヘリなんて飛ばせたな?」
「緊急事態でしたので。今回の件、どう考えても只事ではありませんわ」
ぶかぶか飛行服の姿でも、桃華はエレガントだった。
そして操縦席には彼女が「じいや」と呼ばわる執事風の紳士が。こ、この人ヘリの操縦もできたのか……。
「うさぎさんの智絵里さんには、親の居場所がおわかりになるとのことでしたが……?」
「あ……はい。まだちょっと大雑把ですけど……」
答えつつ、智絵里は地上を見下ろす。
街は真っ白だった。
もうなんか、兎で大陸が出来上がるんじゃないだろうか。
大通りを行進している兎の大河、建物の上に積もり上がる兎の山。
ファンタジーな存在にしても、ここまでくるとやり過ぎ感がある。
「だけど、うさぎさんの声は今も聞こえます。きっと、一番よく集まってるところ……」
「兎密度(って何だ)の一番高い場所を探すのが確実か……」
地上を注意深く観察しながら、俺は機内にいるもう一人に声をかける。
「奏はどう思う?」
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