ロールシャッハ「嵐を呼ぶ、救いのヒーローたち」
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5:名無しNIPPER[saga]
2018/02/15(木) 21:25:39.53 ID:Jw6MsEa80
日誌 ロールシャッハ記
2000年 6月18日
俺が祖国と離別してから、一年半ほどが経つ。
ヨークシンの治安は、俺が来たころと比べると良好になったと言える。
組織犯罪は壊滅しつつあり、警察どもとマフィアの癒着も
断ち切れたと言って差し支えない。
もう俺があそこにとどまる必要はない。
俺のせねばならないことは、まだ無数にある。
東ゴルトー共和国を拠点として、キメラアントという危険生物が増殖している。
俺も二度ほど、その末端と交戦した。
雑兵ですら充分に人間を凌駕している。
人間以外の手による、こうした脅威を目にするのは初めてだ。
奴らを悪と見なすべきかどうか、俺にはわからない。
蟻どもは蟻どもで、腹を満たしているだけなのかも知れない。
ただし、これだけははっきりと言える。
どのような状況においても、喰われる者は最大限の抵抗と逆襲をする。
たとえその結果、ともに息絶えることになろうと。
協会を通じて、この事態の収束に小型の核が使われかねないとの情報が入った。
この情報はあくまで推測の域を出ない。
ただし懸念事項としては、その爆発の規模によっては、
東ゴルトー側の報復装置が作動するとのことだ。
これは推測ではない。事実だ。
――ひとつ、俺の推測として確かなことがある。
核は間違いなく落とされるということだ。
Dr.マンハッタン。
奴は以前、この世界の予知に妨げが起きていると俺に語った。
干渉波だ。それはおそらく、核爆発による電磁パルスであり……
そしてそれを止めることは、奴には不可能だと。
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