4: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2018/02/10(土) 19:59:52.15 ID:4m3755de0
「『はぁ?』は酷いなぁ。恋する乙女になんてこと言うねん」
乙女なんて柄でもないでしょうに、なんて声を挟む余裕はなかった。
未だ思考のまとまらない私をよそに、奈緒さんは続ける。
「流石の私でも、好きな人からそんな反応されたら傷つくで」
そう言う奈緒さんは、それでも傷ついたような素振りなんてどこにも見せず、飲み物と一緒に頼んだクロワッサンを呑気に頬張っていた。
というか、わざわざカフェに来てまで頼む量じゃないですよ、それ。
「少し状況を整理させてほしいんですけど」
私は少し低めのトーンで言った。
奈緒さんはクロワッサンを食べるのに忙しく返事は出来ないようだったが、構わない。
というか、わざわざそのタイミングを狙ったのだ。
どうせ口を開いたところでまた変なことを言いだすだけだろうし、今のうちに状況をなるべく簡単にしておきたいところだ。
が、しかし。
「えーっと……」
そう切り出したのはいいものの、何と訊けばいいんだろう?
ここは素直に『奈緒さんって私のことが好きなんですか?』と訊くべきだろうか。
いや、流石に恥ずかしすぎる。
台本に書かれた予定調和のシナリオ内ならまだしも、カフェなんて場所で見知った相手にそんなことを言った経験、私にはない。
わざわざカフェに限らなくても、そんな経験ないけど。
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