果南「──揃わない誕生日。」
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3: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2018/02/09(金) 23:46:49.31 ID:DwZz2Xwp0



高校生になって初めての冬──とは言っても2月ともなると冬は後半戦。

余り冷え込まない沼津は内浦でも、さすがに寒いと思う。

そんな寒さでも元気に吹き飛ばしてくれる、鞠莉は──もう居ない。

ぼんやりと自室のベッドに横たわりながら、お気に入りのイルカのぬいぐるみを抱きしめて、ぼーっと天井を見つめている。

──ブーブー


果南「ん……」


近くに置いてあったスマホが震える。


果南「ダイヤからだ……」


幼馴染から届いたメールには簡潔に『果南さん、お誕生日おめでとう御座います。』とだけ、


果南「……ダイヤらしいなぁ」


私も簡素に『ありがと』とだけ返して、スマホを放って、再び天井を仰ぐ。


果南「私……何やってんだろ……」


仰いで呟く。

…………。

──鞠莉、今頃どうしてるかな……。


果南「……あーだめだ、走ってこよう。」


私はパパっと身支度を済ませ、家を飛び出した。





    *    *    *




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