10: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2018/02/09(金) 23:55:46.56 ID:DwZz2Xwp0
ダイヤ「鞠莉さん」
鞠莉「ダイヤ? なに?」
ダイヤ「貴方は輪には入らないのですか」
鞠莉「んー……まあ、ちょっとね」
果南「何? ちょっとセンチメンタルにでも浸ってる?」
ベランダに出て、遠くを見つめながら話していた、鞠莉とダイヤに声を掛ける。
鞠莉「Sentimental... まあ、そうなのかも」
果南「……珍しく素直だね」
鞠莉「こんな時間も……もう終わるのかなって」
ダイヤ「……そう、ですわね……」
三人で空を仰ぐ。
冬の空は澄んでいて高い。
果南「昔はずーっと、続くんだと思ってたのにね」
ダイヤ「……けれど、どのようなことにも終わりは訪れます」
鞠莉「そんな当たり前のことに気付かなかったわたしたちは、子供だったのかなって……」
ダイヤ「逆に言うなら、それに気付くことが、大人になる、と言うことなのかもしれませんわよ?」
果南「あはは、そうかもね」
私の笑い声が、冬の空に溶けて消えていく。
鞠莉「いつでも言えるとか、いつでも出来るなんて……思うものじゃないわね」
ダイヤ「……そう思うのでしたら、今伝える言葉があるのではないですか?」
鞠莉「Yes.」
鞠莉とダイヤは二人して私に向き直って。
鞠莉「果南」
ダイヤ「果南さん」
鞠莉「Happy Birthday.」
ダイヤ「お誕生日、おめでとう御座います。」
鞠莉・ダイヤ「……」
鞠莉「いや、普通はここ合わせるでしょ?」
ダイヤ「合わせなかったのは、どう考えても其方だと思うのですが」
果南「二人とも」
鞠莉・ダイヤ「なに──」
私は二人を両の腕で抱き寄せた。
果南「ありがと……」
しっかりと、忘れないように。
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